コリーのカラー

  コリーには毛の長さによって長毛のラフコリー,短毛のスムースコリーとがあります。
 一般的にコリーと言えばラフコリーですが,アメリカではショーの各クラスにラフとスムースのクラスがあるほど愛好家が多いです。 
 名犬ラッシーで有名になったので人気のあるのはラフコリーのセーブルですが,コリーの毛色には,セーブル,トライ,ブルーマール,ホワイトの大きく4色があり,セーブルでも色の濃いダーク,薄いピュアとがあります。
 下の写真が,ラフコリー,スムースコリーの各色の写真です。
   
  ラフコリー   スムースコリー
セーブル(ダーク)
  トライ因子をもつへテロセーブルに多いようです。
  若い頃は明るい色で年齢とともに濃くなるようです。
        
  セーブル(ピュア)
  トライ因子を持たないホモセーブルに多いようです。
  フルカラーのこの色がラッシーのイメージでしょうか?
  カラーの巻き具合では犬の優劣はありませんが,好まれる方が多いようです。
         
  トライ
 毛の色がブラック,タン,ホワイトの三色からなるのでトライカラーと呼ばれています。
 コリーの元々の色だと言われています。
 交配相手にセーブル,トライ,ブルーマールを選べるので貴重な毛色です。
         
  ブルーマール
 トライカラーの黒がマール因子(希釈因子)によって白く抜けた毛色です。
 トライに近い黒の多い毛色から黒のスポットの少ない毛色までバリエーションがあります。
 マール因子(希釈因子)が目の部分にかかるとブルーアイになると思われます。
 片方がブルー,片方がノーマル,あるいは部分的にブルーが入る事があります。
 交配相手にトライを選ぶ必要があります。
 マール因子同士の掛け合わせでは,マールホワイトが生まれることがあるので,避けなければなりません。
        
  ホワイト(セーブルヘッド)
 ホワイトコリーは全身が白いのではなく,頭部と体の一部にセーブル,トライ,ブルーマールのどれかの色が入ります。
 それぞれセーブルヘッド,トライヘッド,ブルーヘッドと呼んでいます。
 マール因子がホモ化したダブルマール(マールホワイト)とは全く別の毛色です。
 ダブルマールはマール因子(希釈因子)によって白く抜けたのもで,ホワイトコリーは体の白い部分が多い(75%以上)ものです。
 ホワイトコリーに健康上の問題,繁殖の制限はありません。
 ホワイトコリーとホワイトファクターの組み合わせではホワイトとホワイトファクターが生まれます。
 ホワイトファクター同士の組み合わせでホワイトコリーの子犬が産まれる事もあります。(理論上は25%の確率)
 以前日本でもこのホワイトファクターから生まれたホワイトコリーを基礎に熱心に繁殖をしていたブリーダーもいましたが現在では数が少なくなっています。
       
  その他の毛色(ホワイトファクター)
 ホワイト(コリー)の因子が半分入った毛色です。
 ホワイトコリーと普通の毛色のコリーとの組み合わせではすべてホワイトファクターになります。
 ホワイトファクターは表面上は各色の毛色と見分けが付かない場合も多いので登録上はそれぞれの毛色に分類されます。
 コリーの体色が白く抜けるマール因子とは異なり,ホワイトファクター,ホワイトコリーに健康上の問題,繁殖の制限はありません。

   特徴としては太く白いカラー、ブレイズや鼻先に白色が入ることが多い、後ろ足の内股まで白い、などですが,普通の毛色でもこれらの特徴は出ることがあるので外見だけで見分けることは困難です。
 特徴が強く出ていない場合はブリーダーやオーナーでもホワイトファクターであると気がつかない場合もあるようです。
  トライやブルーマールで後ろ足にタン(顔や手足に入る薄茶色)がない,身体の一部に白いスポットがある場合はホワイトファクターである可能性が高いです。

  アメリカの有名犬舎のコリーにホワイトファクターのコリーが多いので,アメリカから輸入されたコリーによって日本にもホワイトファクターが入ってきています。
   ホワイトファクター(セーブル)の子犬
 
  腰に白いスポットのある子犬。
   白いスポットは子犬の時ははっきりわかりますがラフコリーの場合、成長すると見分けられなくなることが多いようです。
 (ホワイトファクターにすべてスポットが入る訳ではありません。)
 その他の毛色(セーブルマール)
 セーブルがマール因子(希釈因子)によって白く抜けた毛色です。
 マール因子(希釈因子)が目の部分にかかるとブルーアイになると思われます。
 子犬の時には体に白や濃い茶のスポットが入るので分かりますが,成長するとノーマルアイの場合は普通のセーブルと見分けの付かない場合があります。

 JCCでは血統書の登録はセーブルとなるので,セーブルマールと知らずにブルーマールやセーブルマールと掛け合わせるとマールホワイト(ダブルマール)が生まれる事があるので注意が必要です。
 セーブルマールの難しい点はマール因子を持っていることが外見上分かるブルーマールと違い,成長すると外見上マール因子を持っていることが分からなくなるという点にあると思います。
 繁殖をしない場合はブルーマールと同じく健康上の問題はありません。
 JCCでは登録がセーブルであるためブルーアイのセーブルマールは展覧会へ出陳することは出来ませんが,アメリカやカナダのショーで活躍しているセーブルマールもいます。 
   子犬の時
  その他の毛色(ダブルマールorマールホワイト)
  ダブルマールはマール因子(希釈因子) がホモ化した毛色です。
 ブルーマールやセーブルマールなどのマール因子を持っているコリー同士の組み合わせによって生まれます。
 ホワイトコリーと異なり身体全体が白っぽく目や耳に異常が出る場合が多いようです。
 眼球そのものが無いこともあります。
 一般の方が目にすることはほとんど無いと思いますが,ブルーマールやセーブルマールなどのマール因子を持ったコリーの繁殖をするときには注意が必要です。
  アメリカのコリーのサイトにコリーの毛色と遺伝の説明があります。
 Brightmore Collies
Collie Coat Color Inheritance (コリーの毛色の説明)
Collie Parent / Progeny Color Chart(コリー親/子孫カラーチャート)
 Collie Club of America Nationalの会場で配られていた参考資料
 color01.pdf へのリンク PDFファイル (9.5 MB)
Coat Variety Inheritance in Collies,Coat Color Inheritance in Collies

コリーの子犬情報
  
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